【4月13日 AFP】ドイツ西部ドルトムント(Dortmund)で、サッカー1部リーグのボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)の一行を乗せたバスが爆弾攻撃を受けた事件を受け、当日に対戦するはずだったドルトムントとASモナコ(AS Monaco)のサポーターの間で団結心を示す動きが広まっている。

 ドルトムントのサポーターは、試合の延期により行き場を失ったモナコのサポーターに宿を提供。これに対してモナコのサポーターは、ドルトムントのチームカラーの黒と黄色を身に着け、恩に報いた。

 同市中心部にあるドルトムントのショップでは12日、前日の事件を受け延期になっていた欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝第1戦が午後6時45分(日本時間13日午前1時45分)にキックオフするのを前に、モナコのサポーターらが次々訪れ、敵チームのグッズを買い求めた。

 11日夜発生したこの3度の爆発で、チームのバスの窓ガラスが割れ、スペイン代表DFマルク・バルトラ(Marc Bartra)選手を含む2人が負傷した。

 事件を受けて試合が突然延期になったことから、3000人のモナコのサポーターらを気遣うドルトムントファンがツイッター(Twitter)上に「#bedforawayfans(アウェーのファンにベッドを)」というハッシュタグを拡散させると、宿を提供する申し出が多数寄せられた。

 中には自宅にモナコのサポーターらを招き、一緒に写真を撮ってソーシャルメディア上に投稿したドルトムントファンもいた。

 両サイドが示した友情には、広く称賛が寄せられた。アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は、サポーターらの「落ち着いた」行動と、ホームチーム側のもてなしの心を称賛。また#bedforawayfansのハッシュタグを見た元イングランド代表のイアン・ライト(Ian Wright)氏もツイッターに、「このクラブ(ドルトムント)が大好きだ」と投稿した。(c)AFP/Emmanuel BARRANGUET and Daphne ROUSSEAU