【4月12日 AFP】フィギュアスケートの元世界女王、浅田真央(Mao Asada)が12日、都内で引退会見を開き、涙を抑えきれない場面がありながらも、選手生活に対しては身体的にも精神的にも悔いはないと話した。

 今週初めに自身のブログで現役引退を電撃発表した26歳の浅田は、集まった約400人に及ぶ報道陣に対し、幼稚園児の頃からフィギュアスケートが人生の中心だったと語った。

 カメラマンからまぶしいフラッシュライトを浴びながらも、涙をこらえた浅田は「選手生活を終える決断をいたしました」と述べた。

 2008年、2010年、2014年の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships)で栄冠に輝くも、五輪での金メダル獲得はならなかった浅田は、「長い選手生活だったが、たくさんの山があった」としたうえで、「気持ちも体も全部出し切ったので悔いはない」と振り返った。

 最後に世界フィギュアを制してから約1年間の休養期間を過ごした浅田は、スランプに陥った後のモチベーション低下を引退の理由に挙げた。

 2015-16シーズンに復帰して以降、浅田の成績は急降下をたどり始め、昨年12月の全日本フィギュアスケート選手権(Japan Figure Skating Championships 2016)では12位という屈辱の結果に終わっていた。

 白のスーツに身を包み、髪をポニーテールにして会見に臨んだ浅田は、同大会後に「最後の全日本選手権でいいのではないかと思った」と話した。

 今回の決断により、来年に控える平昌冬季五輪出場の夢にも終止符が打たれることになった。「(平昌冬季五輪出場は)自分が復帰してから掲げてきた目標だった。それを言ってしまったこととの葛藤もあった」