【4月14日 AFP】国連環境計画(UNEP)とブルームバーグ・ニューエナジー・ファイナンス(BNEF)は今月初め、再生可能エネルギーに関する報告書を発表し、それによると、2016年の再生可能エネルギーへの世界の投資額は23%減少したものの、発電容量は138.5ギガワット分増加した。発電コストの低下が反映された結果だという。

 2016年の再生可能エネルギーの発電容量は前年比で8%増加。同年の再生可能エネルギーへの世界の投資額は2420億ドル(約26兆4000億円)だった。増加した発電容量は主に風力と太陽光によるもので、大規模な水力発電プロジェクトは含まれていない。

 さらに報告書によると、化石燃料を利用した発電所への16年の投資額は、同年の再生可能エネルギーへの投資額の半分程度だった。

 2016年の再生可能エネルギーの発電容量増加分は、世界で最も大きい発電施設16か所の容量を合わせたものに匹敵する。また、昨年増えた全発電容量のうち、再生可能エネルギーの割合は55%と過去最高を記録した。

 昨年の風力と太陽光による発電のコストは前年比で共に約10%減少しており、こうしたことが世界的なクリーンエネルギーへのシフトにつながっている。

 再生可能エネルギーへの支出が減った背景には、発電コストの低下だけでなく、日本や中国、一部新興国などで投資が低迷したことが挙げられる。

 中国の昨年の投資額は前年比32%減の783億ドル(約8兆5000億円)と12年ぶりに前年を下回った。日本も前年と比べて56%も急減している。(c)AFP