【4月13日 AFP】ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)の一行を乗せたバスのそばで3度の爆発が発生した事件で、トーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督は12日、欧州サッカー連盟(UEFA)から欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝が翌日に延期されたことを携帯メールで知らされたことを明らかにし、バスに投げつけられたのが「ビールの空き缶」だったような扱いだとして怒りをあらわにした。

 ドルトムントがホームでASモナコ(AS Monaco)と対戦するチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦は、当初11日に予定されていた。しかし、事件を受けて試合は24時間後に延期され、キリアン・ムバッペ(Kylian Mbappe)が2得点を挙げる活躍をみせたモナコが3-2で先勝した。

 選手やスタッフを乗せたバスが3回の爆発に巻き込まれ、DFマルク・バルトラ(Marc Bartra)が手首を骨折するけがをしたにもかかわらず、試合は翌日に延期されただけだった。これについてトゥヘル監督は、「われわれのことなんてどうでもいいんだなと思った」と述べている。

「UEFAから『明日、君たちはプレーする』なんて言われたらね。しかも連絡は携帯メールだった。バスに投げつけられたのがビールの空き缶だったような扱いだ」

「そのような決定が(UEFAの本部がある)スイスのニヨン(Nyon)でされ、無力感を覚えたよ。選手の気分が悪くなるのも無理はない。事件を受け止めるにはもっと時間が必要だ。簡単に切り替えられる選手もいるが、深刻に受け止める繊細な選手もいるんだ」

 ドルトムントのヌリ・サヒン(Nuri Sahin)とユリアン・バイグル(Julian Weigl)は、チームメートの勇気をたたえている。

 サヒンは「集中するのが難しいことはわかっていた。キックオフまで事件のことで頭がいっぱいで、サッカーどころではなかった。家に帰り、妻と息子がドアの前に立っているのを見て、自分がいかに幸運だったのかを痛感した」と語った。

「サッカーがとても大切なのはわかるし、サッカーが多くの意味を持っていることも、僕らがそれを提供しなければならないことをもわかっている。試合をしなければならないことも理解している。だけど、僕らが人間だということを忘れないでほしい。きょうは良い一日ではなかった」

 ドイツ代表のバイグルは、張り詰めた雰囲気があったのを認めたうえで、試合開催の決断に理解を示した。

「僕も含め、全員が眠れない夜を過ごした。どうすれば乗り切れるかなんてわからない。みんなは初めての経験なのだから。(後日開催するなど)他の可能性はなかった。もちろん、僕らにとっては難しかったよ」