【4月11日 AFP】2010年にロシア西部で起きたポーランド政府専用機墜落で、ポーランドの調査委員会は10日、パイロットと地上管制官の交信の分析に基づき、機体が爆発によって空中分解した可能性が高いとの結論に達したと発表した。レフ・カチンスキ(Lech Kaczynski)大統領ら96人が死亡したこの墜落は、両国の調査では人為的ミスと悪天候が原因とされていたが、かねてポーランドの政党から疑義が呈されていた。

 メディアに公開された説明動画によると、調査委は墜落した政府機について「爆発が起きた可能性がかなり高い」とみている。爆発原因に関しては、調査委が実施した実験から「高温と高圧衝撃波を出すサーモバリック(熱圧)爆弾の可能性が最も高い」と判断している。

 ロシア西部スモレンスク(Smolensk)で発生し、政府高官ら乗客と乗員の全員が死亡したこの墜落をめぐっては、カチンスキ大統領の双子の兄ヤロスワフ・カチンスキ(Jaroslaw Kaczynski)元首相が党首を務める与党「法と正義(PiS)」が事故ではなかったと主張してきた。

 墜落はポーランドとロシアの陰謀によるものだったとするアントニ・マチェレウィチ(Antoni Macierewicz)国防相は先月、以前の調査で「外交的な国家反逆」に手を染めたとして、当時首相だったドナルド・トゥスク(Donald Tusk)欧州連合(EU)大統領を非難している。

 「法と正義」は2015年に政権の座についた後、新たな調査に乗り出した。(c)AFP