【4月10日 AFP】南スーダンでは、これまで飢餓が宣言されていなかった地域でも食糧が欠乏し、村人たちは木の葉や栽培用に貯蔵してある種子を食べて飢えをしのいでいると、人道支援団体が10日、警告した。

 非政府組織(NGO)「ノルウェー難民委員会(Norwegian Refugee Council)」によると、同国北部に位置するアウェル(Aweil)州のアウェル中央(Aweil Centre)郡周辺の村が飢餓に陥っている。同郡の東に位置する二つの郡では2月に飢餓宣言が出されている。

 同NGO南スーダン担当責任者のレハナ・ザワール(Rehana Zawar)氏は「住民たちは食糧危機を生き延びるために、どうにか食べることのできる野生のものを食べている。われわれが話した家族は苦いラロップという木の葉を食べていたが、栄養価は低い。こうしたものを食べていては、たちまち栄養失調になってしまう」と述べた。 

 同郡のある村長は、住民の約40%が木の葉を食べ、約半数が貯蔵用の種子にも手を付けていると語っている。NRCは、農村部で種子を食用にしてしまうと来期の種まき分がなくなってしまうため非常に憂慮すべき事態だと述べている。

 南スーダンでは内戦に由来する飢餓が悪循環に陥っており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、今年1~3月だけで同国北部から6万人が飢餓のためスーダンへ流入している。すでにユニティ(Unity)のレール(Leer)郡とメイヤンディット(Mayendit)郡では約10万人が飢餓状態に陥っており、援助機関は今後数か月以内にさらに100万人が飢餓の危機に直面すると警告している。

 南スーダンから脱出した難民はこれまでに170万人超、国内避難民は190万人となっている。(c)AFP/Fran BLANDY