【4月10日 AFP】米プロバスケットボール(NBA)、オクラホマシティ・サンダー(Oklahoma City Thunder)のラッセル・ウエストブルック(Russell Westbrook)が9日、デンバー・ナゲッツ(Denver Nuggets)戦でシーズン歴代最多となる今季42回目のトリプルダブルを達成し、オスカー・ロバートソン(Oscar Robertson)氏が保持していた記録を55年ぶりに更新するとともに、試合も自らのブザービーターで106-105の勝利に導いた。

 ナゲッツ戦で50得点16リバウンド10アシストの成績を残し、主要5部門のうち3部門で二桁得点を挙げるトリプルダブルを達成するなど、オールラウンドに秀でた才能を披露したウエストブルックは「毎晩大好きなバスケットボールでプレーできることに感謝している。信じられないくらいありがたいことだ」とコメントした。

 第3クオーター終了時点で32得点13リバウンド9アシストを稼いでいたウエストブルックは、第4クオーター残り4分17秒で10本目のアシストを記録。歴史的瞬間を待ちわびていたデンバー(Denver)のファンは、携帯電話のカメラをかざしながら、ウエストブルックがチームメートにパスを出すたびに歓声を上げていた。

 ナゲッツがプレーオフ出場にわずかな望みをつなげるために絶対に勝たなければならなかった試合で、チームが十分なリードを築いていたことから、デンバーのファンは気兼ねなくウエストブルックに声援を送っていた。

 その中でウエストブルックは3本のアシストを逃したあと、チームメートのセマジェ・クリストン(Simaj Christon)の3ポイントシュートをお膳立てすることに成功。コーナーからシュートを決めたクリストンは、「フリーだった。もし外していたら、ブーイングされるところだった」と語っていた。

 記録達成が正式にアナウンスされ、会場の拍手喝采に手を振って応えたウエストブルックだが、その時点でサンダーはナゲッツに10点差をつけられていた。しかし、ウエストブルックは試合時間残り2.9秒のタイムアウト明けに沈めた決勝のブザービーターも含め、終盤にサンダーの全得点となる13得点をたたき出した。

 ウエストブルックはまた、今季3度目となる50得点以上でのトリプルダブルでも新記録を樹立し、40得点以上でのトリプルダブルも今季8回目となった。サンダーのビリー・ドナバン(Billy Donovan)ヘッドコーチ(HC)は、「彼のパフォーマンスは終始、素晴らしかった」と称賛した。

 史上2人目となるシーズン成績でのトリプルダブルをすでに達成していたウエストブルックは、ロバートソン氏と肩を並べ、そして超えるという周囲の声を意識したことはないと明かしている。

 キャリア通算79回目のトリプルダブルを達成し、ウィルト・チェンバレン(Wilt Chamberlain)氏を抜いて歴代4位に浮上したウエストブルックは、「自分のモットーは、『できないはずはない』ということだ」とすると、「周囲が可能だとか不可能だとか言うことにかかわらず、自分は常にその信念にこだわっている。いつも『できないはずはない』と考えながら、最高の選手になれるように努力し続けている」と語った。(c)AFP