【4月10日 AFP】中国ラグビーはニッチなスポーツとしての立ち位置から脱却し、いずれは潤沢な資金力を蓄える同国のサッカーリーグに匹敵する人気度を誇るまでに成長できる――未来を見据える中国ラグビー界のトップが語った。

 中国ラグビーフットボール協会(Chinese Rugby Football Association、CRFA)の王立偉(Wang Liwei)氏によると、ラグビーファンである習近平(Xi Jinping)国家主席は自身の地位を利用し、同国では「オリーブボール」として親しまれるラグビーの人気向上を後押ししているという。

 現在は選手の数も限られている中国だが、電子商取引(EC)で国内最大手のアリババ(阿里巴巴、Alibaba)は、今後10年間で1億ドル(約110億円)をラグビー界に投資し、男女のプロリーグ発足に加え、5年以内に競技人口を100万人に拡大することを計画している。

 中国のCRFAグラディエーターズ(CRFA Gladiators)が出場する大会、香港テンズ(2017 Hong Kong Tens)の会場に姿を見せた王氏は、同国におけるラグビーの普及には「何年」もかかるだろうと認めたが、同時に莫大なポテンシャルも秘めていると話した。

「われわれはまだ初期段階。中国でラグビーがもっと人気になることを願っている。もちろん、中国スーパーリーグ(1部、中国のプロサッカーリーグ)と同じくらい大きくね」

 中国をサッカー超大国にしようという国策は、同国のクラブと企業から膨大な投資を促進し、海外の有名選手や指導者を引きつけた。

 しかし、熱狂的なファンやクラブの構造を欠くラグビーが、中国国内でサッカーと同じ道を歩めるかは疑問の余地が残されている。