【4月6日 AFP】ドイツ政府は5日、ソーシャルメディアが憎悪表現(ヘイトスピーチ)や偽ニュースに該当する投稿を迅速に削除しなければ、最大5000万ユーロ(約59億円)の罰金を科す法案を閣議決定した。欧州で先陣を切って対策に乗り出した。

 政府が調査したところ、ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアが、ドイツの法律に抵触する内容の書き込みの削除で十分な措置を取っていないことが分かった。

 ハイコ・マース(Heiko Maas)法務・消費者保護相によると、ユーザーからの通報を受けて問題のある投稿を削除した割合はツイッターではわずか1%にすぎず、フェイスブックでも39%にとどまっていた。

 ドイツでは2015年以降、約100万人が難民申請をする中、インターネット上で外国人に対する排他的な憎悪表現の書き込みが爆発的に増えている。

 法案では憎悪表現や偽ニュースに加え、児童ポルノやテロに関連する活動なども取り締まりの対象としている。

 企業はユーザーから報告された書き込みがドイツの法律に明らかに違反する場合、24時間以内に削除することが義務づけられる。他の憎悪的な書き込みについても、報告を受けて調査した後、7日以内に削除しなければならない。

 ソーシャルメディア企業の幹部は、法律を順守しなかった場合、最大500万ユーロ(約5億9000万円)の罰金が科される可能性がある。

 政府は声明で「憎悪犯罪に対する有効な取り締まりが行われず、訴追もされていないため、自由で開かれた民主主義の平和的な連帯が大きな危険にさらされている」と述べている。(c)AFP/Hui Min NEO