■「社会を掃除しただけ」とうそぶく指導者

 ブデイキン容疑者は、若者たちに個人情報の共有と自傷など特定の「任務」の遂行を求めたことは認めたものの、「なぜ死ぬのが最善の道なのかを何人かに説明しただけにすぎない」「選択したのは彼らだ。誰も強制していない」として、自分はただ「社会を掃除していただけだ」と述べている。

 ノーバヤ・ガゼータによれば、死の集団はグループ参加者らに対して、「任務」を拒めば家族や恋人をつけ狙うと脅迫すらしていたという。

 死の集団の存在はロシア社会に衝撃を与えた。世界保健機関(WHO)によると、ロシアの未成年者の自殺率は10万人当たり20人。世界平均より3倍高い。

 ロシアで子どもに関するオンブズマン活動を行うアンナ・クズネツォワ(Anna Kuznetsova)氏によれば、同国の未成年者の自殺率はここ数年、減少傾向にあったが、昨年は死の集団が要因となり57%近く上昇したという。