【4月2日 AFP】世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2017)は1日、フィンランド・ヘルシンキ(Helsinki)で男子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)が合計得点を321.59点とし、自身2度目の優勝を飾った。

 ここ2年間は僅差で銀メダルに終わっていた羽生に続き、宇野昌磨(Shoma Uno)が2位に入って日本勢がワンツーフィニッシュを飾ると、3位には中国の金博洋(Boyang Jin、ジン・ボーヤン)が続き、2018年の平昌冬季五輪を前にアジア勢が表彰台を独占した。

 ショートプログラム(SP)を終えて5位となっていた羽生だったが、FSで世界歴代最高となる223.20点をたたき出し、2014年大会以来のタイトルを手にした。

 演技を終えると満員となったハートウォール・アリーナ(Hartwall Arena)の観客席からは熊のぬいぐるみやプレゼントが投げ込まれ、得点を目にした羽生は涙を拭った。

 羽生は「SPの後に落ち込んでしまったが、チームやファンが信じてくれてそれが演技につながった。観客の日本の方たちだけでなく、海外の方も盛り上がってくれたみたいで、本当に幸せだった」

 昨年、羽生は12点のリードをふいにして、カナダ・トロント(Toronto)でともにトレーニングをしているハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez、スペイン)に敗れていた。しかし今年は状況が逆転し、SPで首位に立ったフェルナンデスを羽生が約10点差で追い掛ける展開となっていた。

 それでも羽生は久石譲(Joe Hisaishi)作曲の「Hope & Legacy」に乗せた演技で、今季自己最高の演技を披露した。

 FSでの自己最高得点を3.72点上回った羽生は、「初めて国際大会で勝ったのがフィンランドだったので、ここには本当に良い思い出がある」と振り返った。

 一方の宇野は赤の差し色が入った黒い闘牛士の衣装で、アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)作曲の「ブエノスアイレス午前零時(Buenos Aires Hora Cero)」に乗せたパフォーマンスを見せ、こちらも自己記録を更新する214.45点を記録し、合計点もキャリア最高の319.31点とした。

 そんな宇野は、才能あふれる同胞の上に行くという野心に満ちあふれている。

「厳しい練習を積みました。僕のモチベーションはゆづくんを超えること。この結果は五輪を前に、4回転とクリーンなスケートができるという自信になった」

 4位には合計301.19点でフェルナンデス、5位には合計295.16点でパトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)が続いた。

 田中刑事(Keiji Tanaka)は合計222.34点で19位だった。

 一方、フリーダンス(FD)が行われたアイスダンスでは、カナダのテッサ・ヴァーチュー(Tessa Virtue)/スコット・モイア(Scott Moir)組が合計198.62点とし、3度目の大会制覇を飾った。

 2位には合計196.04点でフランスのガブリエラ・パパダキス(Gabriella Papadakis)/ギヨーム・シゼロン(Guillaume Cizeron)組、3位には合計185.18点で米国のマイア・シブタニ(Maia Shibutani)/アレックス・シブタニ(Alex Shibutani)組が続いた。(c)AFP/Emmeline MOORE