【3月30日 AFP】仏パリ(Paris)で28日に行われたサッカー国際親善試合では、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に2度助けられたスペインが2-0でフランスに勝利し、試験的に導入されたビデオ判定で明暗が分かれた。大多数からは公正さが増したとの評価を得られた一方で、見ごたえが削がれたという意見も出ている。

 スペインの失点はビデオ判定によりオフサイドと判定され、審判がオフサイドと判定した得点はビデオ判定で覆ってゴールと認められた。今回の親善試合で初めてVARを試験的に導入したフランスにとっては不本意な結果となったが、ファンや選手はビデオ判定は正しかったと認めている。

 フランスのディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は「ビデオがミスを訂正するよう求めた場合は、それがわれわれに不利なものであっても判定は覆る。競技の公平性という意味では良いことだと思う」とコメント。スペインのフレン・ロペテギ(Julen Lopetegui)監督も「二つのプレーで公正に判定は覆った」と話し、不満を訴えることはなかった。

 後半開始直後にアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)のヘディングがゴールと判定され、前半劣勢を強いられていたフランスのファンや選手は歓喜したが、審判団はVARとの協議の結果、オフサイドだったとして得点を取り消した。

 対するスペインは、後半33分にジェラール・デウロフェウ(Gerard Deulofeu)のゴールが当初はオフサイドと判定されたものの、ビデオ判定により得点が認められた。

 フランスの主将ウーゴ・ロリス(Hugo Lloris)は、新たなシステムでよりフェアになると認めながらも、「同時にゴールの歓喜を台無しにする」との見解を示し、「ゴールを祝福する前に(判定を)待たなければならないのはつらいよ」と語っている。