【3月30日 AFP】(写真追加)リトアニアの歴史家が29日、1918年の同国の独立宣言の希少な原本を発見したと発表した。リトアニアはこの宣言により1世紀以上にわたるロシアの支配を脱している。

 ビタウタス・マグヌス(Vytautas Magnus)大学のリウダス・マジリス(Liudas Mazylis)教授はドイツ外務省の公文書保管庫で原本を発見。その写真はまたたく間にソーシャルメディアで拡散した。

 この発見に対しリトアニア当局は、慎重な姿勢ながらも称賛を送った。

 独ベルリン(Berlin)に滞在中のマジリス教授はAFPの電話取材に対し「直筆の署名20筆すべてが入ったリトアニア語の原本にドイツ語版が添えられていた」と話した。

 リトアニアはかつて中世欧州最大の軍事帝国の一角を成していた。しかしリトアニア大公国とポーランド立憲王国は18世紀末までに徐々にロシアなどの周辺国に分割されていった。そして、1918年2月16日、リトアニアの独立宣言は、第1次世界大戦(World War I)とロシア革命の結果として出された。

 リトアニアのダリア・グリバウスカイテ(Dalia Grybauskaite)大統領は、発見された文書について「恐らく」原本の一つだろうとの見方を示した。この他の原本は、第2次世界大戦(World War II)以降、所在不明となっている。

 グリバウスカイテ大統領は声明で「国民が独立復帰100周年を楽しみに待っている中、これは極まて喜ばしいニュースだ」と述べた。

 リトアニアの企業グループMGバルティック(MG Baltic)は先月、リトアニアに独立宣言の原本を取り戻すことができた人に100万ユーロ(約1億2000万円)を支払うと公表していた。マジリス教授は、お金のためではなく再独立100周年そのものが動機となったと述べている。(c)AFP