【3月30日 AFP】卵1ダースの上に座り、ヒナがかえるまでめんどりのように温め続ける──岩の中で1週間を過ごすパフォーマンスを行った仏アーティストのアブラハム・ポアンシュバル(Abraham Poincheval)さん(44)が29日、さらに奇抜な偉業への挑戦を開始した。

 ポアンシュバルさんのねらいは、仏パリ(Paris)の美術館「パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)」のガラスケースの中で卵の上に座り、ヒナがかえるまでめんどりのように温め続けることで「めんどり人間」になることだ。

 この「Egg(卵)」と題されたパフォーマンスは3~4週間続くとみられているが、その間、正気を保つために24時間毎に30分のみ休憩を取る。卵を37度以上に保つために、ショウガをふんだんに使った特別な食事を取ることで体を温めるという工夫もしている。

 ポアンシュバルさんは今月、重さ12トンの岩の中で1週間を過ごすという「ものの見方が変わる旅」を終え、トップニュースを飾った。

 しかし今回、靴を脱いでガラスケースに入るときのポアンシュバルさんは明らかに不安そうだった。

 ポアンシュバルさんはケースに入るとすぐさま厚手のケープを身にまとい、うっかり卵を割ってしまうことのないよう特注した「抱卵(ほうらん)台」に座った。岩の中で過ごしたときのことを「最高に幸せ」だったと語る一方で、長期にわたって卵の上に座ることに不安を感じていると認めた。

 彼はAFPに対し「こんなにも直接的な形で一般の人たちに姿をさらしたことはこれまでなかった。いつもは何かの中に入っていたからね。でもどんなパフォーマンスにも初めてはある」と語った。