【3月26日 AFP】英ロンドン(London)の国会議事堂近くで22日に起きた襲撃事件で、警察当局は25日、犯行動機の解明が行き詰っていることを認めた。これに先立ち、これまでに警察が拘束した11人は、1人を除いて全員釈放された。

 実行犯と特定された英国籍のハリド・マスード(Khalid Masood)容疑者(52)は、ウェストミンスター橋(Westminster Bridge)で車で歩行者をはねた後、刃物で警察官を刺して4人を殺害した。警察は、犯行動機の解明につながる情報の提供を新たに呼び掛けた。

 警察の新たな捜査では、犯行時間がわずか82秒だったことが明らかになった。マスード容疑者は車でウェストミンスター橋の歩道を歩いていた人々を次々とはねた後、国会議事堂の柵に衝突。車外に出て、議事堂入口で警備にあたっていた警察官のキース・パーマー(Keith Palmer)さんを刃物で刺し殺害し、その後、警察に射殺された。

 この事件後、テロ攻撃を準備していた疑いで合計11人が拘束されたものの、25日時点で勾留されているのは、容疑者の最後の居住地である中部バーミンガム(Birmingham)で拘束された58歳の男のみとなった。9人は釈放され、32歳の女性は保釈となった。(c)AFP/Alice RITCHIE