【3月25日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は24日、加エネルギー企業トランスカナダ(TransCanada)による「キーストーンXL(Keystone XL)パイプライン」の建設計画に最終承認を与えた。計画承認は大統領選中に公約として掲げていたもので、環境面の懸念よりも雇用とエネルギー供給の増加を優先した形だ。

 トランプ大統領は米首都ワシントン(Washington D.C.)のホワイトハウス(White House)で、「米国の雇用にとって素晴らしい日、そして北米とエネルギー自給にとっての歴史的な瞬間だ」と述べた。

 しかし建設計画は現在も環境団体の猛烈な反発に直面している。カナダ産原油を米国に運ぶため2008年に初めて提案された同計画は、環境上の懸念により、トランプ氏の前任であるバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領により阻止されていた。だがトランプ氏は、同計画により米国に数千人規模の雇用が生まれ、より安価なエネルギーの供給が可能になると主張している。

 しかし同計画における雇用については論議の的となっている。米国務省は建設期間中の2年間で米国側に4万2000人分の一時雇用が生まれると概算したものの、反対派は完工後のパイプライン保全管理に必要な永続的な雇用は50人に満たないと指摘している。(c)AFP/Heather SCOTT