【3月24日 AFP】もう何年も前から、味気ないが交通の便は良いショッピングビルを主会場にしてきたファッション・ウィーク 東京(Fashion Week TOKYO)は、芸術的魅力のあるパリ(Paris)や商業的ダイナミズムが感じられるニューヨーク(New York)のファッション・ウィークに比べて見劣りしていた。

 しかし今回の17/18年秋冬「アマゾン ファッション・ウィーク 東京(Amazon Fashion Week TOKYO)」では、多くのデザイナーがビルの外に目を向けた。意識的かどうかは分からないが、近年の海外のファッション・ウィークから会場選びや、その演出がショーの成否を分け得ることを学んだのかもしれない。

 2014年2月の寒い夜、「アレキサンダー・ワン(Alexander Wang)」が世界のファッション界の上流階級をマンハッタンからブルックリンの会場に連れ出したとき、大胆で革新的だと捉えられ、メディアでも話題になった。同じように、「サンローラン(Saint Laurent)」が2016年に初めて、ロサンゼルス(Los Angeles)で本格的なショーを開催したとき、そしてラフ・シモンズ(Raf Simons)が「クリスチャン ディオール(Christian Dior)」のデザイナーデビューを果たした2012年のコレクションで壁一面を花で覆ったときも、大きな話題を呼んだ。


東京のデザイナーたちは、そこまでの過度な演出を狙ってはいないものの、この街の豊かな建造物をただの背景画にしておくのはもったいないと気付き始めている。それらは、主会場となっているファッションビル「渋谷ヒカリエ(Shibuya Hikarie)」の9階以上の雰囲気を、自分たちのコレクションに添えてくれるだろう、と。