【3月24日 AFP】国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」は23日、アフガニスタンの児童40万人以上が今年学校へ通うことを断念し、就学機会を失う見通しだとの見解を明らかにした。アフガニスタンでは政情の不安定化が進み、多くの市民が自宅からの避難を余儀なくされている上、隣国パキスタンからも多数の難民が強制送還されている。

 セーブ・ザ・チルドレンによると、同国では23日に新学年度が始まったが、全国の児童370万人の約3分の1が登校しなかったという。また今年は1日ごとに1100人以上の児童が通学をやめてしまう状況が見込まれており、同NGOは児童労働や武装勢力からの勧誘、また人身売買や児童婚といった問題に子どもたちが巻き込まれることを懸念している。

 昨年はアフガニスタン国内の紛争激化により、子どもの犠牲者数でこれまでで最悪となる923人が死亡した。また、昨年は隣国パキスタンが滞在許可証を持たないアフガニスタン難民の取り締まりを行い、60万人以上を強制送還したことで事態はさらに悪化。今年はさらに100万人以上の難民が送還されるとみられており、アフガニスタンは対応に苦慮している。

 セーブ・ザ・チルドレンによると、本国に戻ってきた子どもたちの半数以上が現在学校に行っておらず、親たちが仕事を見つけられない状況から、路上などで労働に従事しているという。(c)AFP