■児童労働の当然視

 ミャンマーでは、子どもは14歳から合法的に働き始めることができるが、労働時間は1日4時間に限られており、危険な産業に従事することも禁じられている。

 しかし専門家によると、4人に1人が貧困ラインを下回る生活をしているミャンマーでは法律がほとんど周知されておらず、大勢の14歳未満の子どもが働きに出されている。

 ミャンマーの最低賃金は時給約33セント(約37円)で、タイ、カンボジア、中国、インドネシアを下回っている。欧米企業はミャンマーの安価な労働力を活用しようしているが、評判を気にするためにこうした児童労働問題がネックになっている。

 イ・テー(Ei Thae)さん(15)は12歳の時に、スウェーデンの衣料品販売チェーンH&Mに製品を納める縫製工場で働き始めた。

 イ・テーさんは「この工場を出て新しい仕事を探したけど、未成年だから何の仕事も見つけることができなかった。だから戻るしかなかった」、「学校に戻りたいけど難しい。だから今も働いている。私の夢は服飾デザイナーになることだから」と語った。

 H&Mの広報担当者によると、同社は供給業者やアパレル業界の専門家らと協力し、若年労働者が法に従って雇用され、「配慮」をもって扱われるよう取り組んでいるという。

 ミャンマー縫製業協会(MGMA)は先週、児童労働が業界でまん延しているという疑惑に異議を唱えた。

 一方、国際労働機関(ILO)のセリム・べナイサ(Selim Benaissa)氏は、工場以外で働く子どもたちは、ごみ集めや売春などさらに危険な仕事に就くことが多いと警告している。

 ベナイサ氏は「子どもたちはいずれにせよ働く……これは子どもたち自身も含めて、完全に了解されていることだ。適切な支援やフォローアップなく子どもたちを職場から引き離すと、より搾取的で危険な形態の児童労働に追いやることになる」と語った。(c)AFP/Hla-Hla HTAY