【3月23日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は22日、世界の子どものおよそ4人に1人が、2040年までに水不足が深刻な地域での生活を強いられると予想する報告書を発表した。

「世界水の日(World Water Day)」に合わせて発表された報告書でユニセフは、人口増加による水の需要急増と気候変動の影響とが重なる中、安全な水の確保が難しい地域に暮らす子どもの数が、今後20年あまりで6億人近くになるとの見通しを示し、警鐘を鳴らした。

 報告書によると、現在深刻な水不足に陥っている国は36か国以上あり、こうした国では、水の需要が再生可能な水の供給量を上回っていると指摘した。

 劣悪な衛生環境や安全な水を確保できないことで生じる下痢によって命を落とす5歳未満の子どもの数は、1日あたり800人を超えている。

 ナイジェリアやソマリア、南スーダン、イエメンなどの一部地域では、干ばつや紛争といった要因が水不足の背景にある。こうした地域に暮らす140万人近くの子どもたちは「(飢餓による)差し迫った死のリスク」に直面している。

 世界経済フォーラム(World Economic Forum)が昨年実施した年次調査によると、今後10年間に予想される世界的なリスクの内、水に関する問題がトップに挙げられた。

 他方で、国連環境計画(UNEP)は、産業やエネルギー、そして約10億人の増加が見込まれる世界人口のため、水の需要は2030年までに50%増加すると予想している。(c)AFP