【3月23日 AFP】フランス警察は22日、同国リーグ・トップ14のFCグルノーブル(FC Grenoble Rugby)に所属する6選手が、性的暴行容疑で身柄を拘束されたと公表した。アイルランドから2人、ニュージーランドから2人、オーストラリアから1人の元代表選手を含む6人は、仏ボルドー(Bordeaux)のナイトクラブで出会った女性に性的暴行を加えたとして、翌日に被害届が出された。

 被害者はフランス警察に対し、FCグルノーブルがボルドー・ベグル(Bordeaux-Begles)に敗れた今月11日の試合後、ナイトクラブで選手たちと出会ってホテルの部屋に連れて行かれ、そこで性的暴行を受けたと証言している。

 22日午前に仏グルノーブル(Grenoble)の警察署に出頭し、同地に赴いたボルドー警察から事情聴取を受けている選手は、オーストラリア出身で代表2キャップの実績を持つピーター・キムリン(Peter Kimlin)、アイルランド出身のデニス・クールソン(Denis Coulson)と同国出身のクリス・ファレル(Chris Farrell)、ニュージーランド出身のロリー・グライス(Rory Grice)とディラン・ヘイズ(Dylan Hayes)、そしてフランス出身のロイク・ジャメス(Loick Jammes)とみられている。このうち3人は弁護士に付き添われていたものの、残りの3人は代理人がおらず裏口から警察署に入っていった。

 捜査を受けている選手の中で最年長となる31歳のキムリンは、オーストラリア代表として2009年のイタリア戦に2度出場経験があるほか、ブランビーズ(Brumbies、オーストラリア)やエクセター・チーフス(Exeter Chiefs、イングランド)などでプレーし、2013年にFCグルノーブルに加入した。

 26歳のグライスはオールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)のU-20で2度の代表経験を持ち、2年前にFCグルノーブルに移籍。23歳のヘイズは同クラブのアカデミーでプレーを学んだ選手として知られている。

 同じくグルノーブルのアカデミー出身である22歳のクールソンの弁護士は、同選手が2時間半にわたる事情聴取を終えて「落ち着いている」と明かした。日刊紙ドゥ・ドーフィネ・リベレ(Le Dauphine Libere)の記事によれば、同弁護士は「若者たちは任意で夜の聴取に応じた。重要な情報は日中に判明するだろう」と語ったと伝えている。

 22歳のジャメスはグルノーブルアカデミーの育成選手、若手有望株としてフランス・ラグビー連盟(FFR)が掲げる2016-17年の強化選手リストに挙げられている。

 報道によれば、警察は証人としてFCグルノーブルの職員に対して2時間の事情聴取を行い、同クラブからはさらに数人の職員や選手から事件の証人として話を聞く見通しであるとされている。

 リーグ戦で降格の危機に直面しているFCグルノーブルは、捜査対象となっている選手を17日に解雇したが、具体的な名前は明らかにしていない。(c)AFP/Sophie LAUTIER