【3月23日 AFP】いわゆる「デザイナーズ・ドッグ」と呼ばれる交配犬の人気の陰で、英国原産の有名な犬種の中に絶滅の危機にひんしているものが生じているという。今月英国で開催された世界最大のドッグショー「クラフツ(Crufts)」で主催者が警鐘を鳴らした。

 クラフツによると、現代の多忙なライフスタイルや狭い住まいにより適するハンドバッグ大の小型犬に押され、英国原産種のいくつかは存在さえ危うくなっている。

 クラフツを主催するケネルクラブ(The Kennel Club)の健康・繁殖サービス責任者のビル・ランバート(Bill Lambert)氏は「こうした犬種が事実上絶滅するのを目の当たりにすることもあり得る」と語った。

 ランバート氏はAFPに対し「ライフスタイルの変化や都市で暮らす人の増加が原因で、英国における犬の人気は、より大きな犬種からより小さい犬種へと推移してきた。これが悪循環になっている。人気がなくなった犬種は人目につくことも少なくなり、忘れ去られてしまう」と語った。

 ケネルクラブは犬の新生子の登録を行っている。2016年の人気犬種で上位に挙がったのは、ラブラドルレトリバー(3万3856匹)、コッカー・スパニエル(2万1854匹)、人気急上昇中のフレンチ・ブルドッグ (2万1470匹)だった。

 一方、かつては上位にランクインしていたのに人気が低迷し、今や絶滅さえも危惧されている英国産種が、ブラッドハウンド(53匹)、キング・チャールズ・スパニエル(84匹)、マスティフ(102匹)などだ。