【3月22日 AFP】「アンネの日記(The Diary of a Young Girl)」で知られるユダヤ人少女アンネ・フランク(Anne Frank)は、70年後の世界で「ボット」により自らの日記が新しい世代に伝承されるとは、想像もしなっただろう──。

 オランダ・アムステルダム(Amsterdam)にある博物館「アンネ・フランクの家(Anne Frank House)」はこのほど、来館者にアンネの歴史について伝える目的でボットを導入した。ボットは、フェイスブック(Facebook)とのコラボレーション。この博物館は、第2次世界大戦(World War II)中にナチス・ドイツ(Nazi)から身を隠しながら彼女が日記を書いた場所に置かれている。

 同博物館のロナルド・レオポルド(Ronald Leopold)館長は、「私たちの懸念は、戦後70年以上を経た今、来館者の半分は30歳未満で、その知識が私の世代よりも少ないこと。彼女の歴史とつながるために、歴史的な背景と歴史的な情報をより多く提供することが重要」と強調する。

 チャットボットは、フェイスブックのメッセンジャー機能を通じて、ユーザーと博物館との直接の対話を可能とする。人工知能に基づくプログラムは、ユーザーからの質問を学習しながら機能を向上させるよう設計されている。今のところ、チャットボットが提供できる選択肢はわずかで、博物館の開館時間やアンネの日記について、そして彼女が家族と一緒に隠れていた家や一家の運命についてなどに限られている。

 レオポルド館長は、「われわれが生きているこの困難な時代に、アンネ・フランクの物語はかつてないほど大きな意味を持っている」と語った。(c)AFP/Maude BRULARD