【3月22日 AFP】ブラジルの食肉不正問題を受けて、各国・地域による輸入停止措置がさらに広がってきた。21日にはブラジル産牛肉の最大市場である香港(Hong Kong)やメキシコが新たに輸入を停止。日本もブラジルで捜査対象となっている21業者の食肉について輸入手続きを止める措置を取っている。

 香港の食品安全センター(Centre for Food Safety)は「ブラジル産食肉の品質に疑問がもたれている」として、同国からの冷凍または冷蔵された食肉と家禽(かきん)の輸入を一時停止したと発表した。

 ブラジル政府の統計によると、香港は2016年に7億1800万ドル(約800億円)相当の牛肉をブラジルから輸入し、国・地域別で最大の市場。今回の措置はブラジルの食肉産業にとって新たな痛打となった。

 メキシコも21日夜、ブラジルに対して自国の製品の「衛生のレベル、品質、安全性について科学的な証明と保証を提示」することを求め、家禽の輸入を禁止。アルゼンチンは「通常の(品質の)管理を大幅に強化する」方針を明らかにした。

 さらに日本も、ブラジルで捜査対象になっている21業者の製品の輸入手続きを停止すると発表した。日本はブラジル産鶏肉の市場規模が7億2000万ドル(約800億円)と3番目に大きい。

 今回の不正問題では、ブラジルの公衆衛生検査官数十人が国内大手の食肉加工業者から賄賂を受け取り、腐った肉など衛生基準を満たさない食品を消費に適しているとして承認していたことが発覚した。輸入停止はこれに先立ち、ブラジルにとって食肉の最大の輸出先である中国本土や欧州連合(EU)も導入している。

 一方、韓国はブラジルから既に輸入された鶏肉を対象とした販売の一時禁止措置について、当局による品質検査で衛生上の問題がある製品の輸入は確認されなかったとして解除した。(c)AFP/Damian WROCLAVSKY