バンクシーのホテルに初宿泊客、パレスチナの「世界最悪の眺め」
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■バンクシーらしさ
同ホテルは今月初め、なんの前触れもなくオープンした。ホテルのウェブサイトによると、ホテルに展示されている近年最大の新作コレクションは、地元コミュニティーに寄付されたのだという。
その素性が謎に包まれているバンクシーは、オープニングイベントには出席しなかった。その代わりに、英歌手エルトン・ジョン(Elton John)さんがスタッフや地元住民のためにビデオを通じて演奏を披露した。
赤いベストを着たスタッフが出迎えてくれるホテルのロビーでは、「ウォールド・オフ・サラダ」やアフタヌーンティーを味わうことができる。ロビーに流れる定番のポップ音楽はピアノの自動演奏によるものだ。
宿泊客でなくてもホテルに立ち寄ることはできる。パレスチナのアート作品を販売するギャラリーや地元の歴史をテーマにした展示もある。
控え目だがセンスあふれる客室には、バンクシーらしさをしっかりと見ることができる。ある客室のベッドの上には、枕投げをするイスラエル兵とパレスチナ活動家の絵が描かれ、また米CNNを映し出すひび割れたテレビのようなオブジェもあった。
プレジデンシャルスイートでは、パレスチナの家屋屋根上にある貯水槽に似たタンクからジャクジーに水が注がれる。
バンクシーはこれまでにも、たびたびパレスチナを訪れ、数々の作品を残している。2015年には、地下のトンネルを使ってガザ地区(Gaza Strip)へと潜入し、イスラエル軍によって前年に破壊された家屋の壁に作品3点を描いた。(c)AFP/Joe Dyke