【3月21日 AFP】男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、膝のけがで大半を棒に振った昨季からの復帰途上にあると今も主張し続けているが、自身の予想をはるかに上回るスピードでその道のりを歩んでいる。

 フェデラーは19日、四大大会(グランドスラム)通算18勝目を挙げた1月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2017)の勢いをそのままに、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2017)で自身5度目の優勝を果たした。

 世界ランキングも6位まで戻したフェデラーは今、2017年の目標に関して再検討を余儀なくされている。

 フェデラーは、スタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を6-4、7-5で下した決勝戦後、「これは計画になかった。オーストラリアとインディアンウェルズ(Indian Wells)で勝つというのはね」と語った。

「目標はウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2017)までにトップ8に入ることだった。だから、ものすごく早い段階でそこにいることになる」

「残るシーズンに向け、特にマイアミ(Miami)後のクレーシーズンの計画を立てる。夢のスタートの後で、目標は明らかに変わってきているから、何を目指すのか見極めようと思う」

 フェデラーはBNPパリバ・オープンで、世界2位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、グランドスラム14勝のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)、元全米オープンテニス(US Open Tennis Championships)王者のファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)、そして若手有望株のニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)やアレクサンダー・ズベレフ(Alexander Zverev、ドイツ)がひしめく山を勝ち抜いた。

 フェデラーが全豪オープン決勝の再戦となったナダルとの4回戦に快勝した一方、キリオスに苦杯をなめたジョコビッチは、数か月にわたって苦しめられ、先週になって悪化した肘のけがを理由に、今週開幕するマイアミ・オープン(Miami Open 2017)の欠場を発表している。

 BNPパリバ・オープンでフェデラーのサービスブレークに成功したのはワウリンカだけだったが、結局は後ずさりするしかなく、堂々のタイトル獲得を飾った同胞のスーパースターに感服するしかなかった。

 ワウリンカは35歳のフェデラーについて、「彼のプレーはとにかく美しい」としたうえで、 「すべてが完璧にみえる。信じられないくらい良い動きをしているし、タッチも素晴らしい。コート上でできることをすべてやっている」と称賛した。 (c)AFP/Rebecca BRYAN