【3月21日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)は20日、先月行われた第51回スーパーボウル(Super Bowl LI)で盗まれたニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)所属のQBトム・ブレイディ(Tom Brady)のユニホームが発見されたと発表した。捜査当局は犯人について、メキシコの新聞社に勤めていた元ジャーナリストであると指摘している。

 NFLが発表した声明によると、米連邦捜査局(FBI)が主導する合同捜査の結果、50万ドル(約5600万円)相当の価値があるとされるブレイディのユニホームは、2015年の第49回スーパーボウル(Super Bowl XLIX)で同選手が着用していたユニホームとともにメキシコで発見されたことが判明した。

 米メディアの報道によれば、デンバー・ブロンコス(Denver Broncos)のボン・ミラー(Von Miller)が第50回スーパーボウル(Super Bowl 50)で最優秀選手(MVP)に選出された際にかぶっていたものとされるヘルメットも回収されたと伝えられている。

「これらの物品は、国際メディアの資格を持つ人物の所持品の中から発見された」と明かしたNFLは、「NFLとニューイングランド・ペイトリオッツの警備チーム、FBI、警察当局の共同捜査により第51回スーパーボウルでMVPに選ばれたブレイディが着用していたユニホームを回収した。この一連の捜査では、ペイトリオッツがシアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)を下した2015年の第49回スーパーボウルでブレイディが着用していたユニホームも見つかった」と述べた。

 今回の盗難では、メキシコ紙プレンサ(La Prensa)の元役員でジャーナリストの資格を持つマウリシオ・オルテガ(Mauricio Ortega)という人物が、事件に関与した容疑者とされている。

 米メディアが報じた映像では、ペイトリオッツがアトランタ・ファルコンズ(Atlanta Falcons)に劇的勝利を飾った直後、オルテガ氏がペイトリオッツのロッカールームに侵入し、数分後には腕に何か物を抱えながら出てくる姿が確認されていた。

 今回の疑惑に衝撃を受けているプレンサ紙は声明で、オルテガ容疑者が家庭の事情により今月退社していたと公表し、事件に関するいかなる捜査にも進んで協力する意向を示した。

 米ヒューストン(Houston)の警察によって高額の価値が見積もられたユニホームが6週間ぶりに無事に見つかったことについてブレイディは声明で感謝の意を示し、「すべての警察機関にお礼を言いたい。この事件では、彼らが懸命に捜査していたことを承知している。本当に感謝している」と述べた。(c)AFP