【3月21日 AFP】2020年東京五輪のゴルフ会場となっている霞ヶ関カンツリー倶楽部(Kasumigaseki Country Club)が20日、国際オリンピック委員会(IOC)からの強い要請を受け、女性の正会員を認めず物議を醸していた規則を改定する決断を下した。

 埼玉県の霞が関CCは、20日に開かれた臨時理事会で女性メンバーの正会員を容認すると合意に至ったと報じられた。同CCから現時点でコメントは出ていないが、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(The Tokyo Organising Committee of the Olympic and Paralympic Games)は、今回の決断を歓迎する姿勢を示した。

 今月17日にはIOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長が、会場の変更もあり得るとくぎを刺したうえで、同CCに対して「差別しない」ことを選択をするように期待しているとコメント。女性正会員を認めていなかった同クラブの規則については、東京都の小池百合子(Yuriko Koike)知事も、21世紀のこの時代に女性が普通にプレーできないのは「非常に違和感がある」と苦言を呈していた。

 霞が関CCには女性の週日会員はいるものの正会員としては認められておらず、特定の日曜日のプレーが不可能となっている。これは男性会員には適用されない。

 東京五輪組織委員会の森喜朗(Yoshiro Mori)会長は、同クラブが規則を改定したことは「五輪憲章の精神に合致する」として、「五輪会場としての条件を満たすため、これまでクラブの役員、会員の皆さまが大変に尽力された。心から敬意を表し、協力に感謝する」と述べ、今回の決断を歓迎した。

 同クラブの理事長は先日、地元メディアに対して一連の騒動に「困惑している」と語り、さらなる批判を浴びていた。

 今回の決断に先立ち、先日には英スコットランド(Scotland)の名門ゴルフコース「ミュアフィールド(Muirfield)」が、273年に及ぶコースの歴史で初めて女性会員の入会を認めていた。(c)AFP