【3月20日 AFP】ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)元米大統領が米軍の元兵士らをモデルに描いた作品を集めた画集が、同国内のベストセラーランキングで首位を争っている。

 副題に「A Commander in Chief's Tribute to America's Warriors(最高司令官から米国の戦士たちに敬意を表して)」と記された画集には、2001年9月の米同時多発攻撃以後にイラクやアフガニスタンに派遣され、負傷したり、心に傷を負ったりした元兵士らをモデルに描いた作品66点などが掲載されている。

 今年2月後半に出版された画集は、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)のノンフィクション部門のベストセラーランキングで、2週目の時点で1位につけ、米通販最大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)の全ジャンルの本を対象にしたベストセラーランキングでは、18位を記録した。

 それぞれの肖像画には、ブッシュ元大統領が執筆した兵士の人生にまつわるストーリーも掲載されており、ブッシュ大統領センターのウェブサイトによれば、同氏は「米国の退役軍人の犠牲と勇気をたたえたい」と述べているという。出版社の声明によれば、画集の収益は退役軍人を支援するNPOに寄付されることになっている。

 2001年にアフガニスタンに、2003年にはイラクに米国主導で攻撃を仕掛け、多数の民間人に犠牲者が出たことについて、ブッシュ元大統領は後悔を口にしたことはない。ただ、自身のインスタグラム(Instagram)のアカウントでは、この画集は「私の指令を遂行して負傷した、優れた人々」の一部を支援するための取り組みを紹介するものだと述べている。

 2001年以降、アフガニスタン紛争またはイラク戦争に従軍した米兵は約250万人に上る。国防総省がまとめたデータによれば、そのうち死者は6896人、負傷者は5万人以上に及ぶという。(c)AFP