【3月20日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中に英軍を慰問して人気を博した同国の歌手ヴェラ・リン(Vera Lynn)さんが20日、100歳の誕生日を迎えた。代表曲「ザ・ホワイトクリフ・オブ・ドーバー(The White Cliffs of Dover)」のモチーフとなったドーバー(Dover)にある白亜の断崖にリンさんの肖像を映し出し、盛大なお祝いが行われる予定だ。

 リンさんは声明で「私の誕生日をこんなふうに美しく祝ってくださって、これほど光栄なことはありません。素敵な演出にわくわくしています」と述べている。

 リンさんは第2次世界大戦中、英軍の戦地となったエジプトやインド、ミャンマーで慰問コンサートを開いて兵士の士気を高め、「英軍の恋人」とも呼ばれた。

 1942年にザ・ホワイトクリフ・オブ・ドーバーを発表してからは、世界的に有名なこの崖とリンさんの名前が強く結び付けられるようになった。

「20日にホワイトクリフを目にしたら、勇敢に戦った青年たちに思いをはせることになるでしょう。あの崖は、兵士たちが戦地に赴く前に最後に目にし、運良く帰還できたときに真っ先に目にしたものです」とリンさんは述べている。

 そのリンさんは、100歳でニューアルバムを発表するという世界初の快挙も成し遂げた。

 アルバム「ヴェラ・リン100(Vera Lynn 100)」には、ザ・ホワイトクリフ・オブ・ドーバーや「アウフ・ビーターゼーエン・スイートハート(Auf Wiederseh'n Sweetheart)」など代表曲のかつてのボーカルにオーケストラを加えた曲が収録されている。(c)AFP