【3月20日 AFP】昨年の米大統領選期間中にドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の陣営がロシアと共謀したとの疑いが浮上している問題について、米下院情報特別委員会(Permanent Select Committee on Intelligence)の委員長は19日、現時点でそのような証拠はないと明言した。

 米下院情報特別委員会のデビン・ニューネス(Devin Nunes)委員長は米FOXニュース(Fox News)に対し、現時点ではトランプ陣営とロシアとの間の「共謀の証拠はない」と語った。

 ニューネス氏の発言は、翌20日に連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官が同委員会の公聴会で証言を予定している矢先に行われた。トランプ大統領の側近や関係者ら、さらには大統領自身がロシアと好ましくない親密な関係を維持していたのではないかとの疑惑が生じている。

 20日の公聴会では、トランプ氏が根拠も示さずにバラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領に盗聴されていたと主張していることについても取り上げる予定となっている。 トランプ氏は4日、自らの電話をオバマ氏が「盗聴」していたとツイッター(Twitter)に投稿し、波紋を呼んでいる。

 米情報当局は、昨年にロシアが民主党全国委員会(DNC)に対してサイバー攻撃を行ったと公に非難し、目的は大統領選でトランプ氏を勝利させることだったとしている。

 ロシア政府はサイバー攻撃への関与を否定。トランプ氏もロシアとの関与をめぐる騒動は「完全に魔女狩り」だと非難している。(c)AFP/Stephanie GRIFFITH