【3月20日 AFP】シリアの首都ダマスカス(Damascus)市の東部地区で19日、市中心部へ侵攻しようと反体制派らが政府部隊に対して奇襲攻撃をかけ、激しい衝突が起きた。政府側は30回以上の空爆などで反撃し、反体制派側を押し戻したもようだ。

 奇襲をかけたのは、国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」系のイスラム過激派組織「シリア征服戦線(Jabhat Fateh al-Sham)」(旧アルヌスラ戦線、Al-Nusra Front)と組む反体制派グループ。市東部にあるバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍の拠点を攻撃した。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、攻撃はジョバル(Jobar)地区で「爆発物を搭載した車両2台と自爆犯数人」によって始まった。

 反体制派は同地区の複数の建物を占拠。さらに近くの「アバシド広場(Abbasid Square)」へ侵攻し、バス停留所の一部を占拠したものの、押し返されたという。

 ラフマン氏は「反体制派戦闘員の大幅な侵入を許した後、政権側は衝撃から立ち直り、反撃に転じた」と説明した。

 同氏によると、政権側の軍用機が反体制派の拠点に対して30回を超える空爆を実施。国営メディアは、軍は「ジョバル地区でテロリストによる軍の拠点や住居用の建物に対する攻撃を阻止した」と伝えている。

 アサド政権と反体制派は昨年12月に全土での停戦で合意したが、大半の地域で戦闘が続いている。今週にはスイスのジュネーブ(Geneva)で国連の仲介による新たな和平協議が予定されている。(c)AFP/Layal Abou Rahal