【3月19日 AFP】ラグビーシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2017)は18日、第5節の試合が行われ、フランスは後半ロスタイム20分にトライとコンバージョンを決め、20-18でウェールズから逆転勝利を収めた。

 敵地スタッド・ド・フランス(Stade de France)でウェールズはリー・ハーフペニー(Leigh Halfpenny)が6本のペナルティーを蹴り込み、18-13とリードして試合終盤を迎えた。

 しかしフランスは圧力をかけて幾度もウェールズ陣内でスクラムを組むなど22メートルラインの中で20分間粘ると、ダミアン・シュリー(Damien Chouly)がトライを奪い、カミーユ・ロペス(Camille Lopez)が決勝のコンバージョンを蹴り込んだ。

 フランスのギー・ノヴェス(Guy Noves)ヘッドコーチ(HC)は、この100分試合での勝利を「英雄的で歴史的」と語ったが、その後ウェールズ側から不正を行ったと非難を受けた。

 後半ロスタイム4分にフランスは、ウイニ・アトニオ(Uini Atonio)に代えてスクラムで力を発揮する先発右PRのラバ・スリマニ(Rabah Slimani)を再投入したことが議論の的となっている。

 ノヴェスHCは、医療チームからアトニオの頭部負傷の知らせがあったとし、厳格な脳振とうの規則に従って、負傷したPRの交代選手にすでにピッチを退いていた選手を当てたと明かした。

 指揮官は、「(アトニオの)負傷を知らされたので、私は責任を持って対策を講じた」と答えている。

 しかし、ウェールズのロブ・ハウリー(Rob Howley)暫定ヘッドコーチ(HC)は「ラグビーの品位をおとしめるような行為の証拠がある」と別の見方を論じた。

 ハウリー暫定HCはスリマニが再度ピッチに上がる数分前にウオームアップしていたのを目にしており、加えて、「テクニカルエリアの外にいた彼らのコーチの一人が、ドクターと会話していた。その1分後に医師がピッチに入り、右PRが交代した。これは規則外のことだ」とコメントした。

「(主審の)ウェイン・バーンズ(Wayne Barnes)が彼(アトニオ)に対して大丈夫かと聞き、それに『背中が痛むけど、大丈夫』と返していたのが確認できる。すると、ドクターが入ってきて彼(アトニオ)は交代したんだ」

 これを不正行為と呼ぶかと問われたハウリー暫定HCは、「いや、ラグビーの品位の問題だ。そう呼びたいのであれば、あなた方の自由だ」と続けた。(c)AFP/Luke PHILLIPS