【3月21日 AFP】中米ホンジュラス出身のロシオ(Rocio)さん(25)は、自分と夫、2人の幼い子どもを殺すとギャングに脅迫され、米国での保護を当てにして一家で祖国を離れた。

 しかしロシオさん一家は今、メキシコで立ち往生している。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権による移民取り締まり政策によって米国から本国に送還されるのを恐れているからだ。

 一家は、ホンジュラスのギャングに追跡されているのではないかと気が気ではなく、昨年6月にメキシコ入りし、何としてでも先に進みたいと考えていた。

 だが現在のロシオさんは、「あの大統領と、人々を本国に送還するやり方を見ていて気が変わった」と話す。「あの大統領」とは、不法移民の国外退去手続きを推し進めると公言しているトランプ氏のことだ。

 ロシオさん一家は今、メキシコの慈善施設で暮らしている。彼女はギャングの報復を恐れており、自分のことは「ロシオ」とだけ紹介して名字は公表しないでほしいと頼んだ。

 ロシオさんはこれまで難民認定申請を3回行ってきた。難民に認定されれば本国に送還されるおそれはなくなり、医療や教育を受けられるようになる。しかし(迫害されている)証拠がないとして、申請は却下されてきた。