【3月18日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は17日、ロシアのドーピング違反を暴いた報告書の作成者に対し、法的手続きにつながる追加情報を提供するように要請した。

 組織的にドーピングを行っていたことが指摘されたロシアへの処遇を話し合うために、バッハ会長は報告書をまとめたリチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏と世界反ドーピング機関(WADA)のクレイグ・リーディー(Craig Reedie)会長を会談に招いた。

 バッハ会長とIOCは当初、マクラーレン報告書に懐疑的な姿勢を示し、昨年のリオデジャネイロ五輪でロシアを全面的に排除するという提言を受け入れず、今回の動きはそれ以来の和解提案となっている。

 2018年の冬季五輪を開催する韓国・平昌(Pyeongchang)で、バッハ会長は「彼(マクラーレン氏)とリーディー氏と議論したかったのは、第一に彼らが追加情報と追加提言をわれわれに示すことができるかどうかだ。そうした手順を踏んだうえで、手続きを加速させていくように努力し、願わくばこの状況を解決していきたい」と語った。

 マクラーレン報告書では、2012年ロンドン五輪をはじめ、2014年ソチ冬季五輪や第14回世界陸上モスクワ大会(14th IAAF World Championships in Athletics Moscow)などで、ロシアが「国家ぐるみ」で選手のドーピングを手助けしていたことが詳細に記述されていた。その結果、同国の陸上選手は国際陸上競技連盟(IAAF)から資格停止処分を科され、リオ五輪への参加を禁止された。

 リーディー氏は先日、WADAが科したロシア反ドーピング機関(RUSADA)への資格停止処分が解除されるまでには、まだ「山ほど仕事がある」と警告していた。(c)AFP