【3月17日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領に電話を盗聴されたと主張した問題で、ショーン・スパイサー(Sean Spicer)米大統領報道官は16日、未確認の報道に基づいて、オバマ氏が英情報機関の政府通信本部(GCHQ)にトランプ氏の監視を依頼したと述べた。

 ホワイトハウス(White House)で記者会見を行ったスパイサー氏は米FOXニュース(Fox News)の報道を詳しく引用。オバマ氏がGCHQを利用したのは米市民の監視を規制する米国の法律をかいくぐるためだったと主張した。

 FOXニュースの司法アナリスト、アンドリュー・ナポリターノ(Andrew Napolitano)氏はこれに先立ち、情報機関の関係者3人の話として、オバマ氏が命令系統から逸脱して盗聴を命じたと語っていた。オバマ氏は米国の「国家安全保障局(NSA)も中央情報局(CIA)も連邦捜査局(FBI)も司法省も使わなかった」が、GCHQを使ったのだという。

 トランプ氏は今月4日、大統領選の投票日前にオバマ氏に電話を盗聴されたとツイッター(Twitter)で主張し、波紋を広げている。スパイサー氏は今回の報道内容を含め、その主張を支えるとする根拠を幾つか示している。

 共和、民主両党はトランプ氏の訴えについて調査しているが、それを裏づける証拠はこれまでのところ見つかっていない。

 GCHQの報道官はAFPの取材に対し、ナポリターノ氏の主張は「ナンセンス」「全くばかげた主張で無視すべきものだ」と一蹴した。

 米国と英国は第2次世界大戦(World War II)後、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドと共に秘密情報共有機構「ファイブアイズ(Five Eyes)」を構築している。(c)AFP