【3月16日 AFP】(更新、写真追加)15日投票のオランダ総選挙は即日開票され、マルク・ルッテ(Mark Rutte)首相率いる中道右派の与党・自由民主党(VVD)がヘルト・ウィルダース(Geert Wilders)党首の極右・自由党(PVV)の挑戦を退けて勝利した。フランスやドイツでも選挙が近づく中、欧州でのポピュリズム勢力の伸長を占う選挙として注目されていたが、今回は主流派政党が制する結果となった。

 オランダのANP通信によると、54%超が開票された時点でVVDは下院(定数150)の31議席を確保。選挙前の勢力は40議席だが、第1党を維持する見通しとなった。現有12議席のPVVは他の2党と同数の19議席となっている。

 ルッテ首相は支持者から歓声を浴びる中、英国の欧州連合(EU)離脱と米国の大統領選に言及した上で「オランダ国民が誤った種類のポピュリズムの流れを止める夜となった」と勝利を宣言。「今重要なのは、数週間から数か月で国を団結させ、向こう4年に向けて安定した政府を発足させることだ」と語った。

 VVDはキリスト教民主勢力(CDA)、民主66(D66)党との連立を模索するとみられるが、3党合わせても過半数には届かないため、もう1党を加える必要がある。

 大半の政党はイスラム排斥を掲げるウィルダース党首やPVVとの連携を否定しているが、ウィルダース氏は記者団に「可能であればPVVとして連立政権に加わりたい。それができなくても、われわれにとって重要な問題では必要なら内閣を支持する」と述べた。(c)AFP