【3月15日 AFP】ダウン症候群のフランス人女性、メラニー・セガール(Melanie Segard)さん(21)が14日、仏国営テレビ「フランス2(France 2)」の番組で天気予報を伝えてダウン症への理解を求める啓発運動を行う目標を達成し、障害者として新たな境地を開いた。

 セガールさんが有名になったのは、擁護団体「Unapei(知的障害者の親と友人の会)」が「世界ダウン症の日」の3月21日に先立ち、「Melanie peut le faire(メラニーはできる)」と題した啓発運動を開始したのがきっかけだ。

 セガールさんがフェイスブック(Facebook)で、夢は天気予報を伝えることだと表明すると、10日以内に20万の「いいね!」が集まり、ツイッター(Twitter)では数千人がフォローした。フランス2がこの話を聞きつけ、メラニーさんにチャンスが与えられることになった。

 天気予報の放送前に同局は、セリフを練習したり、メーキャップをしたりするセガールさんの姿を紹介。セガールさんがはにかみながらも感激した面持ちで週末の天気の概要を伝え、そつなく放送を終えると、隣に付き添っていた同局の気象予報士アナイス・バイデミル(Anais Baydemir)さんは賛辞を贈り、ツイッターではファンからも「魔法のようなテレビの一コマ」「ブラボー、メラニー、私たちは皆同じ人間」などのコメントが相次いだ。

 セガールさん自身も「終わった。やった。私、ついにお天気ガールになった」とツイートし、「私は(人とは)違っているけれど、できることはたくさんある」と付け加えている。

 世界保健機関(WHO)によると、ダウン症が生まれる確率は1000人におよそ1人の割合だ。

 フランスでは2013年にダウン症の女性(当時19)がニュース専門放送局BFMTVで主要項目を伝える役目を務め、先月は米ニューヨーク(New York)でダウン症のオーストラリア人女性のモデル(20)がファッションショーに参加し、自身のブランドを旗揚げした。(c)AFP