【3月15日 AFP】カンピオナート・ブラジレイロ(ブラジル全国選手権)2部のボア・エスポルテ(Boa Esporte)が14日、愛人を殺害し、その遺体を犬に食べさせたとして服役していたGKブルーノ・ソウザ(Bruno Fernandes de Souza)と契約を結んだことを発表した。

 ブルーノはこの日、ブラジル南東部のバルジニャ(Varginha)で開かれた記者会見で報道陣の前に登場。黒と赤のラインが入ったクラブのユニホームに腕を通した32歳のGKは、会見後にメディカルチェックも行った。

 ブラジルのニュースポータルサイト「UOL」は、「(自身の)仕事に集中する。私にとって重要なのはスタートを切ること」とするブルーノの言葉を伝えている。

 過去にはリーグ1部のフラメンゴ(Flamengo)でプレーし、イタリア・セリエAの名門ACミラン(AC Milan)と接触したこともあるブルーノだが、周囲からは厳しい出迎えを受けている。

 クラブ親会社のゴイス・アンド・シウヴァ(Gois and Silva)社は13日に契約を解除するなど、各スポンサーはチームを離れているだけでなく、ソーシャルメディアからも怒りの声が噴出している。

 クラブのフェイスブック(Facebook)ページでは、「よくやった、ボア・エスポルテ!これで世界から最も憎まれるクラブになった!!」といったコメントが目立った。さらには、チームの公式ウェブサイトも、抗議運動に関わる人々によりハックされる事態となった。 

 ブルーノは自身の子どもを妊娠し、養育費の支払いを求めて訴訟を起こしていたエリザ・サムディオ(Eliza Samudio)さんの誘拐、監禁、そして殺害に関与したとして2010年から収監されていた。

 サムディオさんの遺体は今も発見されていないが、自身の愛人を友人と共謀して殺害し、遺体をバラバラにして犬に食べさせたと法廷で認めたブルーノは2013年、禁錮22年の判決を言い渡された。

 しかしクラブは、最高裁へ上訴した後に、先月刑務所から釈放されたブルーノは服役を終えたと指摘したうえで、人生をやり直すことが許されるべきだと語った。

 ボア・エスポルテの会長は報道陣に対し「きょう、われわれはブルーノが得意とするサッカー選手としてのキャリアを再開できるよう、彼を紹介している」と述べた。

「これは、過去に間違いを犯したが、裁判所によって釈放された人間に機会を与えるだけでなく、彼に人生を継続するチャンスを授けることでもある」 (c)AFP/Erwin Oliveira