【3月15日 AFP】多額の損失を出しているといわれ、閉館の可能性も伝えられていたFIFA世界サッカー博物館(FIFA World Football Museum)だが、余剰人員を減らしながらも存続する方向であることがわかった。館長が14日、明かしている。

 汚職スキャンダルで会長職を追われたジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)氏の肝いりで建設され、ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)現会長が就任した直後の2016年2月に開館したばかりのFIFA博物館については、これ以上の損失を避けるためにFIFAが閉館を決めたと、複数の情報筋が話していた。

 しかし、博物館のマルク・カプレッツ(Marc Caprez)館長はそれを否定し、合計で36の仕事を削減するものの、「持続可能な」施設にする方法をFIFAとして模索していくと話した。

 カプレッツ氏はAFPに対して、「閉鎖は決定ではない。博物館はただ生き残れるかどうかで苦しんでいるわけではない」と語っている。

「FIFAは2016年末に作業部会を立ち上げた。業務の全面的な見直しを行い、新たなモデルを検討することで、FIFA世界サッカー博物館の財政を安定させ、すべての関係者が満足できる持続可能な投資先に生まれ変わらせるためだ」

「作業部会は現在もこの作業に取り組んでおり、結果は明らかになり次第、お知らせする」

 FIFAは合計3フロア、展示スペースの延べ床面積3000平方メートルの博物館に1億4000万スイスフラン(約160億円)を投資し、来館者数の目標を年間25万人に設定していたが、ここまでの来館者は月平均1万1千人と目標の半分程度にとどまっていた。

 そのため博物館の経営陣は、ケータリングサービスの36の仕事を削減することを決めた。サービスは今後再編され、外部委託を目指すという。(c)AFP