【3月14日 AFP】ラグビーイングランド代表はすでに今季のシックスネーションズ(Six Nations Rugby 2017)で連覇を果たしたかもしれないが、エディー・ジョーンズ(Eddie Jones)ヘッドコーチ(HC)は、最終節となる次週のアイルランド戦で勝利を収め、グランドスラム(全勝優勝)を達成しない限り満足することはないだろう。

 11日にトゥイッケナム・スタジアム(Twickenham Stadium)で行われたシックスネーションズの試合で、イングランドは61-21で長年の宿敵スコットランドに圧勝し、1試合を残してタイトルを手にした。

 ティア1のテストマッチでは最多タイの18連勝を飾る一勝で、ニュージーランド代表と肩を並べたイングランドは、18日にダブリン(Dublin)でアイルランドを下すと記録を更新する。

 イングランドはまた、敵地ランズダウン・ロード(Lansdowne Road)で勝利を収めれば、グランドスラムで連覇を達成した選手権史上6番目のチームとなり、シックスネーションズとなって以降では史上初めての快挙を達成することになる。

 スコットランド戦でイングランドが記録した得点は、ラグビー界で最も古い146年の歴史を誇るライバル対決で、両チームを通じて最も多い数字となった。しかし、英ロンドン(London)南西部のバグショット(Bagshot)にある練習拠点で取材に応じたジョーンズHCは、「浮かれたりはしていない。祝うべきことはまだ何もないのだから。すべては先の話だ」と語った。

 地元開催となったW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で1次ラウンド敗退を喫した後、同国の指揮官を引き継いだオーストラリア出身のジョーンズHCは、残り1試合で負ける可能性があることについて、「昨年はチームが神経質になっていたが、今年もそうなると予想している。これは大きな局面だ。グランドスラムを達成する機会に遭遇することはそれほど多くないが、経験が役に立つだろう」と話した。

「選手は1年前にも経験があるので、うまく対処できるはずだ」と話すジョーンズHCは、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)の指揮官として臨んだ2003年のW杯決勝でイングランドに敗れた経験があり、「いつの年も勝つことは難しい」と警戒している。

「今季のシックスネーションズはレベルが上がった感覚があり、実際にそうなっていると思う。しかし、まだ勝利しなければならないし、勝って無敗を維持しなければならない。5試合連続で最高の結果を出すことは、かなりの成果だ」

 対するアイルランドは、カーディフ(Cardiff)で行われた10日のウェールズ戦で9-22で敗れ、シックスネーションズ制覇の望みが絶たれた。

 しかし、ニュージーランド出身のジョー・シュミット(Joe Schmidt)HCの下、アイルランドは昨年11月に米シカゴ(Chicago)でニュージーランドに初勝利を収めて同国の連勝記録を止めた実績があり、用心深いジョーンズHCは「アイルランドは非常に良い指導を受けている。10日のパフォーマンスには、彼らも大いに失望していることだろう」と述べた。

「大会前の予想では、アイルランドが優勝するという声が多かったという記事を読んだ。彼らは優勝候補だったがシックスネーションズのタイトルを逃しており、結果を出すという母国の期待を背負いながら、試合に臨んでくることだろう」 (c)AFP