【5月16日 AFP】カナダ出身のアイスホッケー選手、アレックス・プランテ(Alex Plante)は、そわそわと緊張しながら咳払いをすると、部屋を埋め尽くしていた五輪関係者に向かって、不慣れな言葉でたどたどしく「韓国代表になりたい」と表明した。

 韓国は非島国としては世界有数の単一民族主義社会で知られているが、2018年の平昌冬季五輪開催国として、政府はアイスホッケーチームがリンクで恥をさらすのを避けるために、これまでにないほどの多様性をみせている。

 韓国では人口の約96パーセントが朝鮮民族であるものの、国籍法の改正に伴い海外選手の帰化が徐々に進み、今ではチームの3分の1が白人選手で占められている。

 プロ選手としての8年間で、米国をはじめノルウェー、オーストリア、ドイツなどを渡り歩いてきたプランテは、2年ほど前に韓国のチームに入団した。

 現在29歳のプランテにとって、平昌冬季五輪組織委員会(POCOG)での5行分のあいさつをしっかり覚えることが、世界最大のスポーツ大会に出場する最後のチャンスを得る重要なステップだった。

「このチャンスが出場の可能性につながると考えた。ここに来たと決めたからには、すべてをささげる」と話したプランテは、帰化が認められれば7人目の北米大陸出身選手となる。