【3月11日 AFP】米アーカンソー(Arkansas)州が来月、死刑に使用する入手困難な注射薬の使用期限に間に合わせるため、11日間で死刑囚8人の死刑を執行しようとしている。

 死刑反対論者はこの動きを非難し、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は「ばかげており、それと同じくらい日常生活の中でよくある」理由で死刑を執行しようとしていると伝えた。

 死刑囚8人は平均すると20年間収監されてきたが、ここにきて一気に死が迫った形となった。

 アーカンソー州のエーサ・ハチンソン(Asa Hutchinson)知事(共和党)が署名した死刑執行命令書によると、最初の2人が4月17日、次の2人が4月20日、その次の2人が4月24日、最後の2人が4月27日に死刑を執行されることになる。

 米NPOの死刑情報センター(DPIC)によると、10日間余りで8人の死刑執行は全米でも前代未聞だという。

 米最高裁が1976年に死刑を復活させて以来、1か月に8人の死刑を執行したのはテキサス(Texas)州だけで、米国で死刑執行が再開された1977年のことだという。

 DPICは、そもそも1日に2人の死刑施行を行うこと自体が「異例」だとしている。(c)AFP/Sébastien BLANC