【3月9日 AFP】(更新)オーストラリア・メルボルン(Melbourne)近郊にある湖で、湖水が鮮やかなピンク色に染まる現象が発生した。まるで化学物質の流出による環境汚染のように見えるが、暑さで湖水の塩分濃度が上がったことによる自然現象だという。

 湖があるウエストゲート公園(Westgate Park)を管轄する州当局パークス・ビクトリア(Parks Victoria)の管理責任者で科学者のマーク・ノーマン(Mark Norman)氏によると、湖底の緑藻類が高い塩分濃度に反応し、湖水の色を変えた。

「夏期に湖水が鮮やかなピンク色になる現象はよくある。単細胞の緑藻の一種、ドナリエラ(Dunalliela)が原因だ」とノーマン氏は説明。ピンク色の塗料が絡んだ産業事故のようだとの声が多く寄せられるが「まったくの自然現象だ」と述べた。

 この湖には140種以上の鳥類が生息し、多くの観光客も訪れる。当局は、有害ではないもののピンクに変色した水には触らないよう人々に呼び掛けており、「塩分が乾燥すると結晶のように固くなって肌を覆ってしまう。目にも悪く、塩を直接目に振りかけるようなものだ」とノーマン氏は話した。(c)AFP