【3月9日 AFP】オーストラリアは今夏、最高気温や猛暑日の日数などを含め記録ずくめの猛暑を乗り切ったことが、科学者らによって8日、明らかにされた。気候変動により異常気象の発生頻度と深刻化の度合いは上昇しているという。

 豪非営利団体(NPO)「クライメート・カウンシル(Climate Council)」の報告書によると、南半球のオーストラリアは昨年12月から今年2月までの今夏、猛烈な熱波、森林火災、洪水に相次いで見舞われ、約3か月間で200以上の気象に関する記録が更新された。

 クライメート・カウンシルの報告書「アングリー・サマー(Angry Summer)」によると、「気候変動──主に石炭、石油、ガスの燃焼が原因とされる──は異常な気象事象の度合いを増大させている」と述べている。

 またオーストラリア気象当局と連邦科学産業研究機構(CSIRO)が半年ごとに発表している国の気候に関する報告書によると、オーストラリアの平均気温は1910年以降、約1度上昇した。

 もともとオーストラリアの乾燥した夏にはよく森林火災が発生するが、気候変動は陸海表面の温度を上昇させ、猛暑日の日数や深刻な森林火災の発生を増加させているという。

 気象当局は先週、オーストラリア第1の都市シドニー(Sydney)は今夏、市内中で猛暑日と熱帯夜の日数が過去最高を記録するなど、観測史上最も暑い夏となったと発表した。また同じ東部の首都キャンベラ(Canberra)やブリスベン(Brisbane)でも同様の記録が更新された。一方で西部パース(Perth)では、夏としては記録的な降水量が観測された。(c)AFP