【3月8日 AFP】国際スキー連盟(FIS)は7日、13か月間の資格停止処分を科されたクロスカントリースキー女子のテレーセ・ヨーハウグ(Therese Johaug、ノルウェー)の処分延長を求め、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に申し立てを行ったと発表した。

 ノルウェーオリンピック・パラリンピック委員会(NIF)は先月、ノルディックスキー世界選手権(FIS Nordic World Ski Championships)で通算7個の金メダルを獲得しているヨーハウグに対し、13か月間の資格停止処分を科した。

 28歳のヨーハウグは、世界反ドーピング機関(WADA)によって禁止薬物に指定されるアナボリック・ステロイド(anabolic steroid)のクロステボール(clostebol)に陽性反応を示したことで、昨年10月18日から暫定的な資格停止処分を受けていた。

 ヨーハウグによると、問題となったステロイドは、昨年8月下旬に行われたイタリアの高地トレーニングでやけどの治療のために使用したトロフォデルミン(Trofodermin)と呼ばれるリップクリームに含まれていたという。同年10月には、ヨーハウグが使用したリップクリームにクロステボールが含有されていたことに気づかなかった責任を取り、代表チームのドクター1人が辞任している。

 2018年2月に行われる平昌冬季五輪には出場できる見通しだったヨーハウグの弁護士は同日、「失望した」としたうえで、FISによる申し立ては「理解できないもの」だとコメントしている。

 ヨーハウグはNIFの決定が2月に下る際、禁止ステロイドは誤って摂取してしまったと主張していたが、FISはこの日「問題となったリップクリームが本人にとって目新しいものだったことに加え、海外での購入だったにもかかわらず」、同選手は商品に記載されたドーピングに関する注意書きのラベルをよく読んでいなかったと指摘した。(c)AFP