【3月8日 MODE PRESS】「大人かっこいい」存在として女性たちから絶大な人気を誇る表現者・夏木マリ(Mari Natsuki)。金髪のボブにグリーンのネイルを合わせ、着物から革ジャンまでをさらりと着こなす「尖った」スタイルは、妖艶で大胆不敵。そんな夏木が企画から構成、演出、出演まですべてを手がけるコンセプチュアルアートシアター「印象派NÉO」が新作「不思議の国の白雪姫」 を3~4月に東京、京都、フランス・パリにて上演する。

「印象派」は1993年にスタートし、夏木のライフワークとなっている舞台シリーズ。ダンス、音楽、演劇などあらゆる表現方法を駆使して、彼女のクリエイティビティを凝縮させた集大成だ。シリーズ通算12作品目となる今作では、「イデビアン・クルー(Idevian Crew)」の井手茂太(Shigehiro Ide)、「東京ゲゲゲイ(Tokyo Gegegay)」の牧宗孝(Munetaka Maki)、「ダズル(DAZZLE)」の長谷川達也(Tatsuya Hasegawa)、小㞍健太(Kenta Kojiri)という今注目の振付師らを起用。60を越えてなお、新たな身体表現に挑む夏木に「カラダ」の可能性と、その美学を聞いた。

パフォーマンス集団MNT(マリナツキテロワール)も率いる (2015年、音羽山清水寺)。(c)HIRO KIMURA

■実は一番苦手な、ダンス!?

 夏木はシンガー、俳優、演出家として活躍するだけでなく、独特のダンス表現でも知られる存在。ドイツの伝説的振付家、ピナ・バウシュ(Pina Bausch)を敬愛し、ジム通いも欠かさず、アスリートのようにストイックだ。「志は高く、一番苦手なものにトライしている」と本人は謙遜するが、身体表現のおもしろさは「イメージをより多く持てるということ」だという。今回はとくに気鋭の振付師4人が参加する意欲作。「『言葉遊び』ならぬ、『身体遊び』をしたいと思って、その4人に声をかけさせてもらった」。それぞれ異なった作風やアプローチを持つクリエイターたちとの制作は「‟その人らしく”ということを確認させられている日々」という。

「より多くの身体言語を求めた」という今回の舞台。(c)HIRO KIMURA