【3月7日 AFP】アジア諸国で過去1年間に公共サービスを受けるために賄賂を支払ったことがある人は4人に1人以上に上ることが、世界各国の腐敗や汚職を監視する非政府団体(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル(Transparency International)」が7日発表した報告書で明らかになった。

 報告書はパキスタンからオーストラリアまで16か国・地域、2万人以上を対象にした調査を基にしている。これによると過去1年間で推定9億人が「賄賂」を支払わざるを得なかったという。

 賄賂を支払った人の比率が最も高いのはインドとベトナムで、調査に回答した人の3分の2近くが公教育や医療といった基本的な公共サービスを受けるために金銭を渡す必要があったと述べている。

 一方、賄賂を支払った人の比率が最も低かったのは日本や韓国、香港(Hong Kong)、オーストラリアだった。

 報告書によると賄賂を要求してくるのが最も多いのは警察で、過去1年間に警察官と接触した人の3分の1弱が賄賂を支払ったと回答している。

 トランスペアレンシー・インターナショナルは声明で「各国政府は反腐敗に向けた取り組みを示すため、さらなる措置を取らなければならない」と指摘。さらに「賄賂は小さな犯罪ではない。食卓から食品を奪い、教育を受けられなくし、適切な医療を妨げ、ついには人命さえ奪う」と批判している。(c)AFP