【3月6日 AFP】(写真追加)イスラエル考古学庁(Israel Antiquities AuthorityIAA)は5日、北部のガリラヤ(Galilee)地方で、同国考古学者チームが青銅器時代のドルメン(巨石建造物)見つけたと発表した。見つかったドルメンは「めずらしい」「謎めいた」ものだという。

 IAAの声明によると、玄武岩の冠石の重さは約50トンとみられ、冠石の下側には、複雑な模様が15個彫られているという。

 当局は、チームのメンバーであるユーリ・ベルガー(Uri Berger)氏の話として、「中東の巨石遺跡でこのような彫られた模様が確認されたのは初めて」と伝えている。

 見つかった模様についてベルガー氏は、「弧の中心に向かって直線が描かれている」と説明。これまで中東地域で見つかっている、岩面に彫られた模様にこのようなものは存在しないとしながら、「その意味は謎だ」と続けた。

 このテーブルのような建造物は、ガリラヤのキブツ(イスラエルの農業共同体)近くで発見された。発見時期については明らかにされていないが、ドルメンが造られたのは約4000年前の中期青銅器時代に遡るとされた。

 声明によると、このドルメンの傍らには、これよりも小さい同様の建造物が4個存在しているとされ、約400トンの岩でできた岩の山で全体が覆われているという。

 見つかったドルメンについて声明は、「(当時、)同地域に特筆すべき確立された政治システムが存在していたことを証明している」とし、その規模から建造には莫大な労働力が必要だったと考えられ、労働者のための宿泊施設や食事の世話も必要だったと推測されるとした。ただ、詳細はほぼ不明のままだ。

「ドルメンの建造やそこに投入された技術、労働者らの文化といったものについては依然として、イスラエルの考古学における大きな謎の一つ」と声明には記された。(c)AFP