【3月4日 AFP】欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)を7度制覇したイタリア・セリエAの名門ACミラン(AC Milan)に対し、「爆買い」に乗り出してる中国の投資家グループが3日、買収手続きを完了させるための契約の「締結」を再び先延ばしにした。

 ミランのオーナーを務めるメディア王のシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏は、昨年8月にシノ・ヨーロッパ・スポーツ(Sino-Europe SportsSES)社と7億4000万ユーロ(約900億円)相当の契約を締結することで合意していた。

 SES社はすでに、手付金として1億ユーロ(約120億円)を2回、合計2億ユーロ(約240億円)を支払っている。しかし、SES社のリー・ヨンホン(Li Yonghong)社長が率いる投資家グループが残金の支払いを渋っている状況を受け、契約の信ぴょう性や計画実現への疑問が浮上している。

 報道によると、1986年にACミランを買収し、その黄金時代を見守ってきたベルルスコーニ氏は、契約を破談にする用意もあると伝えられている。

 一方、SES社は緊急声明を出し、「不測の事態により、契約の締結が遅れることに対して失望の念を表すると同時に、SES社としては強い決意で、可能な限り早期の契約締結を目指してフィニンベスト(Fininvest)社と協力を続け、遅れている投資計画の準備を整えていく所存です」とコメントした。

 ベルルスコーニ氏が所有するフィニンベスト社は3日早朝、SES社に対して契約締結への態勢を整えるように求める声明を発表。同日が期限となっていた買収計画の延期が確定したことを受け、同社としては「できる限り早期の」経営権移行を期待していたことを明らかにした。

 ミランのアドリアーノ・ガッリアーニ(Adriano Galliani)最高経営責任者(CEO)が出した株主向けの声明で、フィニンベスト社は「出来る限り早期のクラブ売却に向け、SES社と合意に至る機会がくることを待ち望んでいる」と述べた。(c)AFP